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岩田 忠夫; 岩瀬 彰宏
Radiat. Eff. Defect Solids, 144(1-4), p.27 - 61, 1998/00
固体に各種イオン、中性子のような異種の高エネルギー粒子を照射した時の効果を比較し、新粒子の照射効果を予測することを可能にするために、FCC金属について相互比較の物理的枠組の構築を行った。我々の行った極低温イオン照射実験と、欧米で行われた原子炉中性子、電子線照射実験から、低温回復ステージ、欠陥生成、及び、照射アニーリング断面積を抽出して比較検討した。照射効果を特徴づけるパラメータとして、PKAメディアンエネルギーを定義し、上記物理量は、DKAメディアンエネルギーの関数として、統一的に説明できることを示した。
岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 仁平 猛*; 佐々木 茂美
Mater. Sci. Forum, 97-99, p.605 - 614, 1992/00
FCC金属(Al,Cu,Ag,Ni,Pt)を0.5-126MeVの各種イオンで10K以下において照射し、300Kまでのアニール実験を行った。低エネルギーイオン(≦1MeV)照射の場合は、いづれの金属においても、ステージIにおける照射欠陥回復量はPKAエネルギーによってよくスケールされる。一方、高エネルギーイオン(~100MeV)照射したNi,Ptでは、ステージIの著しい減少、あるいは消失が起こり、さらにこの現象は電子的阻止能と大きく関連している。Cu,Agではこのような異常は見られない。以上の結果は次のように説明できる;Ni,Ptの場合、高エネルギイオン照射によって高密度励起された電子のエネルギーが強い電子-格子相互作用を通じて格子系に伝達され、ステージI欠陥の消滅をもたらす。一方、Cu,Agでは電子-格子相互作用が弱いため、照射中のステージI欠陥の消滅は専ら弾性的相互作用によって支配される。
岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 仁平 猛*; 佐々木 茂美
Radiat. Eff. Defects Solids, 124(1), p.117 - 126, 1992/00
極低温で高エネルギー重イオン照射したFCC金属において現れる特異な実験結果(ステージIの消失、照射アニーリング断面積の異常に大きな値)について述べ、これらの現象が電子的阻止能や電子格子相互作用の大きさと大きく関連していることから、イオンによって励起された電子のエネルギーが格子に伝達されて照射アニーリングを増大させた結果であると結論した。
岩瀬 彰宏
JAERI-M 89-071, 86 Pages, 1989/06
FCC金属を0.5-126MeVの各種イオンで、液体ヘリウム温度において照射した。照射後のアニーリング実験の結果、高エネルギー重イオン照射したAl、Niでは、ステージIにおける欠陥回復量が著しく減少、あるいは消滅した。またあらかじめ単純な欠陥をドープしたNiにおける照射アニーリングの実験結果を解析した結果、非常に大きな欠陥消滅断面積の値を得た。これらの現象は電子的阻止能と大きく関連しており、さらに電子格子相互作用の小さいCu,Agにおいては観測されない。以上のことから、Al、Niにおいては、高エネルギー重イオンによって高密度励起された電子のエネルギーが電子格子相互作用を通じて格子系に伝達され、照射欠陥の一部を消滅させたものである、と結論した。
高村 三郎; 北島 一徳*; 安部 博信*
Journal of Nuclear Materials, 144, p.205 - 206, 1987/00
被引用回数:2 パーセンタイル:64.42(Materials Science, Multidisciplinary)Fe-Crフェライト鋼およびこれにNiを加えたオーステナイト鋼を低温で中性子照射した後、電気抵抗の等時焼鈍曲線を求め、点欠陥の回復過程を調べた。格子間原子の移動がフェライト鋼では主に180kで起こるが、オーステナイト鋼では110kから始まる。オーステナイト鋼では400kに大きな回復が見られる。空孔移動によっている。照射欠陥生成による電気抵抗増加量が2つの鋼で大きく異なっている。
仲田 清智*; 高村 三郎; 正岡 功*
Journal of Nuclear Materials, 131, p.53 - 60, 1985/00
被引用回数:16 パーセンタイル:85.27(Materials Science, Multidisciplinary)極低温で高速中性子照射した4種類の高度ステンレス鋼の点欠陥の回復過程を等時焼鈍,等温焼鈍によって測定解析した。格子間原子,空孔は夫々100Kおよび300K以上で移動すること。電気抵抗の回復は照射欠陥の消滅による抵抗減少と構造変化による抵抗増加の2成分から成り立つことなどの結果を得た。
小桧山 守*; 高村 三郎
Radiat.Eff., 84, p.161 - 169, 1985/00
極低温で高速中性子照射した稠密立方格子の点欠陥の回復過程を電気抵抗測定によって調べた。電子線,熱中性子による回復実験はあるが、高速中性子による実験は今迄行なわれていない。等時焼鈍時間を変えた時の回復ステージのシフトから格子間原子,空孔の移動温度を調べ、照射粒子線の種類の違いによる回復過程の変化を議論した。
高村 三郎; 小桧山 守*
Radiat.Eff.Lett., 86, p.43 - 46, 1985/00
低温で高速中性子照射した非晶質PdSi合金を室温まで昇温することに伴う回復過程を電気抵抗の測定によって調べた。360Cに焼なましをして結晶化した合金と対比してみると、結晶化した合金では照射による電気抵抗の増加は10倍に増加する。室温までの回復率は非晶質合金の方が大きいことがわかった。